歯の移植・再植

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時々、「歯が抜けたー」 と言って来る患者さんがおります。
いわゆる差し歯の芯がかぶせ物とともに取れた場合と、文字通り歯が根っこからそっくり抜けた場合とがあります。
後者は「脱臼」と呼んでおりますが、完全に歯槽骨から抜け落ちている場合と、抜け落ちてはいないが歯槽骨から飛び出している(亜脱臼)、あるいはめり込んでいる(陥入)場合とがあります。
こういった場合の処置は、歯肉内にある歯でも一度抜いてから歯内治療を施し、再度歯槽骨内に戻し固定すると、3ヶ月くらいで元通りになります。
この延長線上に【歯牙移植】【再植】があるのです。

歯牙再植

歯を意図的に一度抜いて、抜いた穴を掃除すると同時に歯を治療し、もとの穴に戻す処置です。
この場合、使いたいのは根っこですから、その安寧を得るために歯肉から上に出る部分は切り落とし、歯肉を縫います。

  • 根管治療が7、8回と長引く場合
  • 根管治療では根尖部の病巣をかたづけられないと判断した場合
  • 歯周病による動揺を止めたい場合
  • 患者さんが多忙のため根管治療に何度も来院できない場合

…などにおこなっています

根っこが、しかるべく長く(1センチ弱くらいまで)、根管の直径が1.4ミリ以内ならば、どんな歯でも治療可能ですし、工夫をすることで6,7ミリでも大丈夫です。
根っこの治療自体は一回で終わりますので、あとは歯に芯を立て、被せるだけで終わります。

歯牙移植

これは他人同士だと拒否反応をおこすため、当人の歯を別の位置に移すことしかできませんので、自家歯牙移植と言います。
6歳臼歯、あるいは12歳臼歯の残根(C4)を抜歯すると同時に親知らずを移植することが多いですが、条件次第では他の歯の移植も考えられます。

移植・再植については、歯根膜の存在がその帰趨を握っています。
歯を抜いたときに歯根膜は抜歯した歯の根面、あるいは穴の壁面に残りますので、再植ではあまり問題はありません。
しかし、移植では、移す歯の歯根面に60%程度はついていないと成功は難しいと思います。
私の経験では、再植の成功率はほぼ100%ですが、移植は90%強でしょう。