
東日本大震災に伴う福島原発の放射能漏れをきっかけに 我々のX線被曝に対する危機感は かつてなかったほどに 高まっております。
日本の法律では一年間に被曝することのできる放射線量は50mSv(ミリシーベルト)とされているそうですが、これは国際的には大甘な基準であって 原子力発電施設関係者が実際的に定めている放射線量は20mSvで これ以上被曝した場合 その後一年間は原発関係の仕事には就けないそうです。
我々の診療でもレントゲン装置を使用しており、撮影による被曝からは避けることはできません。
そこで、歯科医院で使われるレントゲン機器の放射線量がどれくらいの値であるか説明しましょう。
一般人が1年間に自然に受ける放射線量(自然放射線量)は 2.4mSv であることを覚えておいてください。(但し、赤道に近い国々の人々や高度の高い国は10mSv以上 東京~ニューヨーク間往復で0.2mSv と言われています。)
①アナログX線撮影の比較
| 歯科レントゲン撮影(小さい写真) | 0.02~0.04mSv | 自然被曝 3~6日分 に相当 |
|---|---|---|
| 歯科パノラマ撮影(大きい写真) | 0.04mSv | 自然被曝 6日分 に相当 |
| 胃のレントゲン撮影 | 3.3 mSv | 自然被曝 1年分 に相当 |
| 胸部のレントゲン撮影 | 0.4mSv | 自然被曝 2か月分 に相当 |
| 頭のCT撮影 | 2.4 mSv | 自然被曝 1年分 に相当 |
日本医学放射線学会によると 医科のX線撮影では0.1mSv(頭部撮影)~3.3mSv(バリウムを使っての胃撮影)だそうです。
②デジタルX線撮影の比較
通常 デジタルレントゲンでは 被曝線量はアナログの10%~25%となりますが
当院ではCT機能を搭載しているため ほとんどアナログレントゲンの線量 と変わりません。
| 歯科デジタル撮影(小さい写真) | 0.002~0.02mSv | 自然被曝3日以下 |
|---|---|---|
| 歯科デジタル撮影(大きい写真) | 0.004~0.02mSv | 自然被曝3日以下 |
| 歯科パノラマ撮影(CT) | 0.03mSv | 自然被曝 4日分 に相当 |
| 頭部 CT撮影 | 2.4 mSv | 自然被曝 1年分 に相当 |
| 胸部 CT撮影 | 9.1 mSv | 自然被曝 3.8年分 に相当 |
| 下腹部CT撮影 | 10.5 mSv | 自然被曝 4.4年分 に相当 |
| 上腹部CT撮影 | 12.9 mSv | 自然被曝 5.4年分 に相当 |
ほとんどの歯科医院ではレントゲン撮影をする際には 鉛の入った防護エプロンをしてから撮影します。鉛は放射線を透さないので肺、胃、腸、卵巣などは、放射線による被爆をほぼゼロにすることができます。レントゲン写真を撮影した後に妊娠に気付いてパニックになる人がいますが、妊娠初期を含めた全期間を通じ、歯科で撮影するレントゲン写真は安全です。放射線量は極めて低い上、腹部は鉛の入ったエプロンで覆われているからです。
奇形や精神発達遅延が現れるのに必要な放射線量は250mSv以上だとされています。
これは歯科医院で アナログのX線写真を6000枚以上エプロンなしで一度に撮影した量と同じです。






