インプラント症例 : メディア紹介
インプラント実例 「三ノ輪歯科」で見る症例
2007年(平成19年)2月1日号
三ノ輪歯科・大澤先生に聞く―シリーズ(5)
先月までの4回でインプラントの概要をインタビューしてきたが、今回からは治療を行った患者さんの症例をとりあげてもらうことにする。実際に歯科治療を受けるほどではないが、少しでも臨場感味わってもらえるように今回は、下の両側奥歯にインプラントをやった患者さん(59歳・女性)をとりあげてもらい、できるだけ平易に説明してもらった。
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深夜の急患で娘さんの治療をしたおり「左上奥歯が揺れていて、物を噛むのに支障があり治療費次第ではインプラントを入れてみたい。」と相談を受ける。
上下に部分入れ歯が入っており、上顎では唯一の鉤歯である左上6番根周囲の骨が全周にわたって吸収、下顎では左右2本の鉤歯のうち右下5番の骨吸収が著しい。
上下ともに歯がない部分での顎堤(歯があった部分の土手)の骨吸収が顕著。ことに下顎臼歯部では相対的に口底(舌の下の粘膜部分)よりも下がってしまっている(写真1)。ご承知のように骨吸収は、歯周病によるものなのです。
将来的に影響しない安定したインプラント治療
今後10年間は問題なく機能すると考えられる歯のみ残し、信頼できないものは抜歯しインプラントを支台にしたブリッジで咬合を回復させる下顎のみインプラントを行う。
※上顎下顎いずれかに入れ歯を使わざるを得ない場合には、絶対的に上顎の入れ歯の方が安定性がいい。それは下顎に比べ歯肉との接触面積が大きい、歯肉との間に入り込んだ唾液を封鎖する形態を作りやすい、吸着を舌運動によって妨げられない等々の理由からです。
【治療計画】
上顎:左上6番を抜歯し、部分入れ歯を修理して総入れ歯とする。 下顎:右下5番を抜歯し、左右ともに5、6番にインプラントを行う。
※この患者さんの場合、下顎では上顎以上に歯周病末期で奥歯を抜いているため、顎堤の骨吸収が著しく、左右7番の位置には歯肉の“遊び”があるため将来的にインプラントの安定に影響が出ると判断し、6番まで噛めるようにする。
【治療費】
下顎:{15万(インプラント)×2本+1万(銀歯)×2本}×2(左右)=64万円
その他、上顎義歯の修理、抜歯、スケーリング等は保険適応で2万円程度。
【治療期間】
治療回数6回、6ヶ月程度。 ※以上の内容を受け入れていただき、治療開始となりました。
【治療経過】
<1回目>
上顎:6番抜歯と同時に部分入れ歯を総入れ歯に修正。
下顎:右下5番を抜歯し、部分入れ歯の鉤を外し、右下4番に引っ掛けるよう修正。
<2回目>
左下5、6番にインプラント(1回法)を埋入し、部分入れ歯の左下5、6、7番部分を切断。
※この状態で、右だけが機能する。
<3回目(2ヵ月後)>
左下インプラント部分のかたどり
<4回目>
左下に被せ物を入れると同時に、右下にインプラント埋入。
※この時点で、入れ歯は用済みとなり、左側が機能する。
<5回目(2ヵ月後)>
右下インプラント部分のかたどり。
<6回目>
右下に被せ物を入れる(写真2)。
どんな状態の患者さんであろうとも、2回目の診療時点ではまがりなりにも噛める状態にするのが基本であり、治療というのは噛める状態を維持しながら行うものだと信じております。
「治療が終るまで半年噛めませんが、しょうがないですよね…」などとは口が裂けても言えません。また保険外治療である限り、治療費の制約があるので場合によっては工夫が必要となります。
本症例でも、2回法のインプラントを使えば最終補綴までの間、部分入れ歯を切断することなく両側で噛める状態で、なおかつ治療期間の短縮もできたのですが…。また上顎も、修理して作った総入れ歯をしばらく使うことにして、インプラントは余裕ができたら…ということにしました。
そして初診から2年半後になる昨年、上顎にもインプラントをやっていただき現在は2~3ヶ月に一度チェックしています。
平成19年2月1日 夕刊フジ インタビュー記事より抜粋
